実録?百物語

43、大音量

text by 網屋徹

大学時代に住んでたワンルームマンショ
ンでの話。rnrn当時、授業にはろくに出席せず、もっぱらクラブ活動と夜遊びばかりしていた。ある日、い
つものように夕方近くに起きた。目覚ましにCDでも聴くかと、コンポのリモコンを取り、電源を入れた。そのと
たん、rnrnドカーン!rnrnという爆音が鳴った。なんだっ!?と慌てふためいたが、コンポのボリューム
が最大になっていることに気づき、大急ぎでボリュームを下げた。rnrnが、どう考えてもおかしい。前夜
(というか朝方)に寝るときには、ごく小音量でスリープをかけて寝たので、その次に電源を入れると、当然その時
の音量で鳴るはず。だいいち、となりに迷惑をかけるのが好ましくなかったので、昼間に音楽を聴くときでもあ
る程度の音量までしか上げたことがなかったのだ。もちろん、ボリュームを最大にしたなんて一度もない。rn
rnふと振り向くと、閉めて寝たはずの北側の窓が半開きになっていた。窓の外はベランダっぽくなっていたの
だが、隣家との距離が近いこともあってベランダ自体に厚手のスリガラスがはめられており、とてもじゃないが
人が出入りできるような場所ではなかった。rnrnその部屋でいくつか奇妙な体験をしたが、これはその中で
もっとも不快で不可解だった出来事。

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