実録?百物語

3、コビト

text by 高橋カオリ

友人M子が、子供だった頃の話。

夜中に目が覚めた。外の街灯に照らされて、ベランダの柵の影が部屋の床に伸びている。ところが、その柵の影の上に、コビトのような影が見える。

コビトはふたりいて、絵本で見るようなとんがり帽子にとんがり靴という格好。柵の上でお互いに挨拶をしておじぎをして、座り込んで話をしている様子。しかし、影は見えるのだが、ベランダの柵の上にコビトはいない。

好奇心に駆られたM子は、床に映っているコビトの影を手で抑えてみた。すると、ひとりのコビトはその手につかまれたかのようにジタバタともがき始めた。もう一方のコビトは、その様子をみて立ち上がったものの、どうすることもできずオロオロするばかり。M子が手をはなすと、ふたりのコビトはわけがわからないといった様子で、あたりを見回して不思議そうにしていたそうだ。

M子はそのまま眠りについてしまったそうだが、あの日のコビトのことは、今でも説明のつかない不思議な思い出となっているそうだ。

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