実録?百物語
40、眠れない夜に
text by 網屋徹
元同僚のANさんから聞いた、彼女の女友達のKさんの体験談。Kさんのおばあさんは霊媒師で、Kさん自身も幽霊を見ることがあるらしい。rnr
nある晩、Kさんが寝ようと思って布団に入ると、がやがやとした声が聞こえた。まるで騒がしい教室にいるよ
うな、大勢の人の声だったたそうな。rnrn彼女は、寝るに寝られず、そのままそのざわめきを聞き続けた。
そのうち、その声の数が少しずつ減っていくことに気づいた。声の主がひとり、ふたり、といなくなってゆき、
声は5、6人から3、4人とどんどん減っていく。rnrnそして、どうやら最後のひとりになったと思われた
時、そのひとりが彼女の耳元でささやいた。rnrn「早く寝ていればよかったのにな...」rnrn彼女はそ
の晩眠れなかったそうな。