実録?百物語

21、慰霊

text by 網屋徹

大学時代の後輩のFOくんから聞いた話。r
nrn大学四年生のある夏の晩、同じマンションの1階下に住むクラスメイトから電話がかかってきた。時間
は、夜中の12時ごろ。近くから子供の泣き声がする、確かめに行きたいんだけど、怖いから一緒についてきてく
れ、と頼まれたそうだ。rnrn子供の泣き声くらい、近所の家からいくらでも聞こえてくるだろう、と思った
そうだが、とりあえず一緒に行ってみることにした。rnrn声は、マンションの裏の方から聞こえていたらし
い。この辺りだというところまで来てみると、子供の泣き声はすでに止んでいた。ふと見ると、道の傍らに何か
の碑が建っている。rnrn碑文を読んで驚いた。水子の慰霊碑だった。

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