実録?百物語

25、お化けトンネル その2

text by 網屋徹

怖い話好きだった兄貴からまた聞きした話。

とある深夜、兄貴の友人2人が、福岡県にあるお化けトンネルを探検しにでかけたんだと。そのトンネルには、あんないわれやこんな話があって…なんて、車中はおおいにもりあがったそうな。

トンネルに着いた。

1車線分しか道幅がないような細いトンネルで、もし対向車でも来ようもんなら、どちらかがバックでもしないかぎり離合できないような具合だったらしい。おっかなびっくりでトンネルに入り、先へ先へと進んでいく。確かにいやな雰囲気ではあるが、これと言ってなにかが起こるわけでもない。そうこうしているうちに、トンネルの出口が見えてきたんだと。

「なぁんだ、お化けトンネルなんて言うっても、たいしたことねえなぁ」なんて言ってると、カーステレオで聴いていたテープが曲間にさしかかり、無音状態になったらしい。すると、ドスのきいた男の声が聞こえたそうな。

「もう来るなよ...」

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